ユニバーサルデザインの歴史は、特別な人のための工夫が、みんなの使いやすさへと広がってきた流れでもあります。はじめから多くの人が使いやすい形を考えるこの発想は、今では駅や学校、家電、案内表示など、身近な場所に少しずつ根づいています。昔から今へ、考え方の変化をたどってみましょう。
「困ったら後から足す」時代から始まった
昔の建物や道具は、元気な大人が使うことを前提に作られていることが多くありました。そのため、車いすでは入りにくい入口や、読みにくい表示、使いにくいボタンが当たり前のように残っていました。必要が出てから手すりやスロープを足す形が多く、困りごとに対して後から対応する考え方が中心でした。ユニバーサルデザインの歴史をふり返ると、この「後から直す」段階が長く続いていたことが見えてきます。
「最初から使いやすく」が広がっていった
その後、年齢や障害、体格、言葉の違いがあっても、できるだけ同じように使える形を最初から考えようという発想が広がりました。これが、今のユニバーサルデザインにつながる大きな変化です。バリアフリーが段差などの不便を取り除く考え方だとすると、ユニバーサルデザインは最初の設計の段階から使いやすさを組み込む考え方といえます。ユニバーサルデザインの歴史は、配慮を特別なものにしない工夫の積み重ねでもあったのです。
暮らしの中で身近なものになっている
今では、自動ドア、音声案内、見やすい表示、握りやすい道具、低いカウンターなど、さまざまな場面でその考え方が使われています。これは障害のある人だけでなく、高齢の人、子ども連れの人、けがをしている人、外国語に不安がある人にとっても助けになります。つまり、使いやすさを広げることは、誰か一部のためではなく、自分の暮らしにも返ってくることなのです。ユニバーサルデザインの歴史が教えてくれるのは、やさしさは我慢ではなく、暮らしを整える知恵だということです。
まとめ
ユニバーサルデザインの歴史は、不便を見つけて直すところから、最初から使いやすく考えるところへ進んできました。完璧を目指すというより、使う人を広く想像することが大切です。身近な設備や道具を見るときも、「誰にとって使いやすいか」という視点を持つと、新しい気づきが生まれます。
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