障害が続く中で、生活の土台となる収入をどう確保するかは大きな心配ごとです。「障害基礎年金・障害厚生年金」は、その不安を少しでも軽くするための仕組みです。ただ、仕組みが複雑に感じられ、どこから理解すればよいか戸惑うこともあると思います。ここでは、初めての方でもつかみやすいよう、基本となる考え方をやさしく整理します。
障害基礎年金とは?
障害基礎年金は、国民年金に加入している方が対象の制度で、病気やけがによって生活や仕事に支障が出たときに支えとなる収入です。年金の等級は主に「1級・2級」があり、日常生活の困りごとや支援の必要度によって決まります。
請求の際には、医師の診断書や日常生活の状況を示す書類が必要になります。難しい言葉が多いと感じるかもしれませんが、窓口で説明を受けたり、支援者に相談しながら進めることができます。生活の継続を助ける大切な制度なので、遠慮せずに質問することが大切です。
障害厚生年金との違い
障害厚生年金は、会社員や公務員など厚生年金に加入している方のための制度です。特徴は、障害基礎年金に比べて等級が「1〜3級」と幅があり、働いていた期間や給与の額も年金額に反映される点です。
また、3級に該当しない場合でも、一定の条件を満たすと「障害手当金」という一時金の支給があることもあります。働いていた時期の記録が関係するため、加入歴を確認しながら進めると安心です。どの程度のサポートを受けられるのかが人によって変わるため、必要に応じて専門窓口で確認しておくとよいでしょう。
申請の流れと知っておきたいこと
両制度とも、申請の大きな流れは「必要書類の準備」「診断書の取得」「年金窓口への提出」という手順です。ポイントは、いつの時点の状態をもとに審査されるか、という点です。多くの場合「初診日」と呼ばれる、最初に医療機関を受診した日が基準になります。
初診日の証明が難しい場合もありますが、病院の受診記録や健康保険証の履歴など、手がかりになるものは多くあります。自分ひとりで抱え込まず、支援機関に相談しながら進める方がスムーズです。
まとめ
障害基礎年金・障害厚生年金は、生活の安心を支える大切な制度です。対象や受けられる内容に違いはありますが、「困りごとを減らし、安心して暮らすための仕組み」である点は共通しています。制度は少し複雑に見えても、順番に確認すれば理解しやすくなります。不安を抱えたままにせず、身近な窓口や支援者に相談しながら進めてみてください。
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